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起立性調節障害の人が病院を受診して間違われやすい病気4つとは?【誤診】

起立性調節障害の人が病院を受診したいと思った時に、場合によっては間違われやすい「病気・症状」があります。

その点を踏まえておくことで、患者さん自身が医師一人からの診断で勘違いしてしまうのを避けることができるでしょう。

 

一番ベストなのは、医者三人に診てもらうことです。

 

起立性調節障害はどんな症状なのか?

起立性調節障害では、自律神経の乱れから血圧が低下し、朝起きられない・疲れやすいなどの症状に結びつきます。

 

血圧が低下すると、脳や全身への血行が維持されなくなり、立ちくらみやめまいを引き起こします。血行が悪くなると全身への酸素の供給が阻害されるため疲れやすくなり、思考力が低下するなどの症状を呈します。

 

このように、起立性調節障害は自律神経系の変化による身体疾患ですが、二次的に精神面・活動面においても影響を及ぼします。

 

起立性調節障害の好発年齢は10〜16歳とされ、この年齢層の場合は基本的に小児科を受診する必要がありますが、全身倦怠感や気力のなさといった症状から精神科を受診するケースもあります。

 
今回は起立性調節障害の方が病院に行って間違われやすい病気や症状についてご紹介します。

 

 

起立性調節障害の人が病院に行って間違われやすい病気や症状は?

 

【1】心身症

心身症とは、精神的な緊張やストレスによって何らかの身体症状が引き起こされる身体疾患の総称です。

 

起立性調節障害の原因として、自律神経のバランスが乱れていると考えられていますが、一般的にストレスや緊張がかかると自律神経は乱れていきます。したがって、起立性調節障害はストレス・緊張などの精神状態によって、症状が憎悪することがあります。

 

心身症の診断を行う際に扱う身体症状の中には、起立性調節障害が含まれることもあります。そのため、ストレスによって起立性調節障害の症状が憎悪する場合には、心身症と起立性調節障害の両方が診断として付けられるケースがあります。

 

しかしながら、「自律神経による血圧の変調」という捉えがなく「ストレスがかかると体調が悪くなる」という程度にしか医師が認識していない場合、本来起立性調節障害の診断に用いるべき起立検査を行わず、単に「心身症」という診断のみをつける可能性があります。

 

 

【2】うつ病

 

学校に行きたがらない、全身倦怠感がある、気分が悪くなるなどの症状があると、まず親としては精神的に何らかの問題を抱えているのではないかと疑います。

 

その状態の背景には精神疾患ではなく「身体疾患としての起立性調節障害」があるにも関わらず、心療内科や精神科を受診することがあります。

 

内科的な知識のない心療内科医・精神科医で、さらに学齢期の子供を扱う経験の少ないクリニックでは、10〜16歳が起立性調節障害の好発年齢であるという知識も有していない可能性があります。そのため、「うつ病」などの誤診に繋がることがあります。

 

うつ病を診断するための質問紙には、起立性調節障害の方が該当するような身体症状、睡眠、活動の質に関しても含まれており、例として「朝の調子が悪く、夕方から楽になる」「気力がでない、何事もおっくう」など当てはまる項目も多いことから、誤診に繋がる恐れがあります。

 

実際に、重度の起立性調節障害の場合はうつ病との鑑別が難しいです。起立性調節障害の場合に特有なことは、午後〜夕方にかけて調子が良くなり抑うつ状態ではなくなるという点です。起立性調節障害の診断・治療ガイドラインにも明示されていますが、このように起立性調節障害に特有の症状を考慮して、正しく鑑別を行うことが重要となります。

 

誤ってうつ病と診断された場合、適切な治療や薬が提供されず、起立性調節障害の症状が悪化する危険性があります。成人のみを扱うクリニックに問い合わせると、「小児特有の病態があるので、小児科を受診してください」と丁寧にお断りする場合もあります。

 

そのようなとき、子供の状態について悩んでいる方には「子供は対応できないと断られた」とネガティブな印象を受けるかもしれません。しかし、そうしたクリニックには無責任に「うつ病」などと診断しないよう配慮する、然るべき姿勢が見て取れます。子供に特有の疾患について正確に診断可能なクリニック・診療科を受診する必要があります。

 

 

【3】小児慢性疲労症候群

小児慢性疲労症候群は、インフルエンザなどの病気に罹った後に、突然発症することの多い病気です。

 

症状は疲労感や頭痛、集中力の低下、筋肉痛などがあります。生活リズムが乱れることから睡眠時間が長くなり、起立性調節障害と並んで子供の不登校の原因となる疾患とされています。小児慢性疲労症候群では、労作後疲労、睡眠、疼痛、認知機能、その他の症状に分類し、各項目で該当する症状が多ければ診断となります。

 

それらの症状の中では、「起立での不安定さ」「息切れ・めまい」といった自律神経症状を扱う項目もあり、睡眠に関しても同様に起立性調節障害と類似した症状が挙げられています。また、小児慢性疲労症候群は、症状の日内変動もあることから起立性調節障害と共通点が多いです。

 

起立性調節障害の場合は、思春期を過ぎると徐々に症状が軽くなっていくとされているため、思春期を過ぎても症状が改善されない場合は小児慢性疲労症候群を疑うと判断する医師もいるでしょう。しかし、鑑別は大変難しく、正しい診断のためには専門の病院を受診することが望ましいです。

 

 

【4】発達障害

発達障害の子供は、コミュニケーションの苦手さがあり、友人関係においてストレスがかかりやすいです。

 

また、特有の感覚処理の偏りがあり、物音に敏感であったり、偏食が強かったりと、日常生活においてこだわりが強く多くの場面でストレスを受けやすいです。起立性調節障害の子供が朝起きられないことは、発達障害による特性のために学校でストレスを多く受けているからと仮説立てられてしまう可能性があります。

 

朝学校に行けないのは、身体的に血圧が低く起きたくても起きられない状況であるにも関わらず、「学校でコミュニケーションがうまく取れないから行きたくないのでは?」などと結びつけられてしまうことがあります。

 

児童精神科などでは発達障害の子供を診ることは多くても、実際に起立検査を行って起立性調節障害の診断まで行うことができるのは、子供の病気に関して総合的な知識のある限られた医師だけであると考えられます。

 

起立性調節障害によって遅刻や欠席が増え、期間が長引くと学習面も遅れをとっていきます。知能が平均的なのに、学習の習得が著しく遅れている状態であり、読み書き・計算・推論などの領域で極端に遅れがある場合は、学習障害の診断も合併症としてつけられる可能性があります。

 

 

まとめ

以上、起立性調節障害の方が病院に行って間違われやすい病気・症状についてご紹介しました。

 

起立性調節障害は、中学〜高校生に好発する子供に特有の病気です。「高校生で小児科?」と思われる方もいるかもしれませんが、疾患の特性上、誤診を避けるためにも心療内科や精神科ではなく「小児科」を受診することをおすすめします。

 

全ての医師が診断を正確につけることができるとは限らず、心療内科医や精神科医は「起立性調節障害」について十分な知識がない可能性があります。受診する前に病院のホームページ等をチェックし、起立性調節障害を治療した実績のある病院を受診することが望ましいです。

 

 

 

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